SHOMONA

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習慣ストーリーランド

きっちり二日に一箱のペースで吸っていた。

働き始めてからは尚一層、吸うタイミングに対してリズムを重んじるようになった。

 

朝。起床後1時間以内に吸う喫煙者はそうでない喫煙者と比べて癌による死亡率が高い、という記事を読んでいたので起床後1時間半待ってから吸っていた。何よりも健康第一だからだ。

午前中は事務所にいる事が多く、集中力の切れてくる10時半前後に1本。たいてい午前中はこれでおしまい。

昼飯後に1本(一番美味かった気がする)、午後は打合せの合間や社用車での移動の休憩中を利用して、2時間おきに一服した。

夕飯後に1本、あとは寝るまでに2〜3本。飲み会の時はどうしても多くなるから、次の休日は本数を減らして調節する。

寝付きの悪い冬の夜は、厳重に暖かい格好をしてからベランダに出て凍える手で火をつけたりすると、5分後には微睡んでいたりもした。

こうして10本/日のペースをしっかり守り、微力ながらも国の税収の一端を担っていた。

 

煙草を吸い始めた日のことも、そのとき選んだ銘柄も、最後に吸った日のこともはっきり覚えている。それぞれに理由があったからだ。

今思えば本当に些末な、取るに足らない理由だった。喫煙という1つの習慣を始め、そして終えるに足るほど大袈裟なものではなく、それらの理由は単なる「きっかけ」に過ぎなかった。

けれどもその「きっかけ」を、今でもやたらはっきりと覚えている。なぜなら自分の「習慣」を変えたからだ。きっかけという小さな点同士をいくつか繋げると、習慣というストーリーが出来上がった。タイトルを回収してやったぜ。

 

さて、きっかけをきっかけたらしめるものが何かと問われれば、それは間違いなく「ノリ」だ。その辺に転がっている有象無象なイベントに、自分だけの意味を与えたり、無理やりこじつけたりすることこそ「ノリ」の得意分野だ。

 

良くも悪くもノリがきっかけとなり、行動を変え、新しい習慣を作る。「ノリ」はともかく、そんなような言葉がもっともらしく毛筆で書かれた紙を、会社の壁や居酒屋のトイレで目にしたことはないだろうか。あんなものはくそくらえだ。なぜかってそれがめちゃくちゃに真実だからだ。ふと目に入る所で手軽に真実を突き付けるな。オヤジの小言、おめえもだよ。

 

2018年も1ヶ月が過ぎて、みな年初に立てた目標を忘れ始める頃だと思う。俺も忘れた。そもそも立てたんだろうか。

もし俺も目標を立てていたとして、それを誤ってなんかの拍子に思い出したりしてしまったら、今度もノリでどうにかしてみようと思う。