SHOMONA

サッカー/ギター/歴史/和食/iPad/飲酒

電動キックボードで皇居一周したら駅伝の監督になった話

あけましておめでとうございます。

今年もよろしく。


さて新年だ。なぜかわからないけど、正月明けというのは、新しいことを始めたりノリで何かにトライするにはうってつけの日取りだ。

2022年1月4日、昼食後にふと思い立ってYogiboから身を起こし、着替えながら「LUUP 乗れる場所」で検索した。なんか久しぶりにワクワクしていた。三が日に散々飲み食いしたおかげでエネルギーは満タンだ。窓の外は冬の東京らしい青一色の晴天だった。いくぜ!

 

 

目次

 

  • LUUPとは
  • 乗り方
  • 乗ってみた
  • 所感

 

 

LUUPとは

 

f:id:tactini:20220104235133p:image

 

LUUPとは、電動キックボードのシェアリングサービスのことで、2021年4月に渋谷でスタートした新しい移動体験だ。キックボードはというのはあのキックボードのことで、小学生が公園や友達の家に行くときに乗っているアレ。アレを大きくしてバッテリー積んでナンバープレートを付けた乗り物。電動、つまりバッテリーとモータで動くので、足で漕がなくていい。漕がなくていいって最高だね。地元が坂だらけだったので余計にありがたみが強い。「ぼくのかんがえたさいきょうののりもの」って感じ。実現してくれてありがとう。

 

そんな電動キックボード、現在の展開エリアをざっくり表すと、神保町から銀座までの丸の内周辺エリア、高田馬場から渋谷までの新宿周辺エリア、渋谷発の私鉄・メトロ沿線沿い(だいたい環七くらいまで)、それと港区全域と品川駅周辺って感じ。東京以外だと横浜・京都・大阪の中心地でも乗ることができるっぽい。これ京都観光とかにいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

乗り方

アプリにクレカと免許証を登録すれば(走行中は原付扱いのため免許証が必要)、あとは案内に従って操作するだけでOK。アプリ上の地図からポート設置場所を選び、そこに向かう。ポートに泊まっている台数や1台ごとの充電状況は現地に行かずともアプリで分かるようになっているので、複数のポートを歩いて探し回る必要はない。あとポートが空いてさえいれば、乗った場所に関係なくどこで降りてもOK。

ポートについたらキックボードのハンドルについているQRコードをアプリで読み取って解錠。ちなみに乗るときや返すときだけでなく一時停車する際もすべてアプリからの操作となるので、十分にスマホを充電してから行くのがオススメ。

操作方法も簡単で、自転車と同じ形のブレーキと、自転車のベルのようなアクセルスイッチ。親指で押し込んでいる間だけ進む。バイクよりずっと簡単。まあバイク乗ったことないけど。

 

 

 

乗ってみた

 

今回初めて電動キックボードに乗るけど、特に明確な行き先があるわけではなく、乗って走ることが目的だった。さてどこへ行こう。神保町のポートへ向かいながら利用案内と走り方を読んでいると、気になる一文が。このキックボード、原付扱いにもかかわらず「二段階右折」が「禁止」だった。ちょっと待ってよ。
流石にあのヒョロヒョロのキックボードで右折車線に飛び込む勇気は無い。いくらなんでも怖すぎる。できるだけ右折せずに乗りたかったので、皇居を反時計回りで一周することにした。私の頭脳が導き出した計算によれば理論上は直進と左折だけで戻ってこれるはずだ。Let's Go!

 

走ってみた感覚として、そのスピード感に慣れるまでは「かなり遅い」。アクセルを押し続けてもMax15km/hしか出ないので、車はおろか急いでる自転車よりも遅い。歩道を走ることができないから、どうしてもスピードの比較対象は車になる。もっと早かったらいいのにと思ったけど、きっと安全面でこの速度になっているんだろう。そんな感じで走り出した。

 

これはそういう乗り物なのだと慣れてくると、今度はこの今までなかなか味わったことのない移動速度が癖になる。親指1本で時速15km、それは誰も経験したことのないモビリティ。モビリティというより遊園地のゴーカートやメリーゴーランドに近いかもしれない。低速度のおかげで多少は左右の景観も味わうことができる。お堀の石垣が、ゆっくり後ろに流れていく。

 

 

f:id:tactini:20220104235345j:image

信号待ち。この日唯一の右折車線(本線は首都高に)

 

 

神保町から一ツ橋、竹橋を過ぎて千鳥ヶ淵まで進むと、いわゆる皇居ランナーの姿が増えてきた。半蔵門のあたりで完全に気付いたのだが、高齢の皇居ランナーはそんなに速くないため、歩道を駆ける後ろ姿を車道からゆっくりとすれ違い、少し並走したのちに追い越すことになる。これってあれじゃない?昨日箱根駅伝で見たよ、選手に近づいてレース状況を伝え激励する監督の移動車。もう気分はすっかり監督。なんか楽しい。LUUPに乗って皇居ランナーひとりひとりを応援する仕事でお金を貰おうかな。

 

日比谷の手前で曲がり、皇居外苑へ。丸の内と東京駅を横目に、大手門から再び竹橋へ。スマホが充電不足で再起動したためポート場所が分からず迷ったりもしたが、なんとか無事にゴールにたどり着いた。ポートに停め、証拠写真を撮って送信すると自動でロックがかかり、返却完了。シンプルでとても良い仕組みだね。

 

 

f:id:tactini:20220104235537j:image

遠くに東京駅が見える

 

 

f:id:tactini:20220104235639j:image

今回利用したポート。借りる時は4台停まってたが、返却時は1台もなかった

 

 

信号で止まったり写真を撮ったりしていたので、スタート地点と同じポートに戻ってくるまで約50分もかかった。アプリの記録に残っている移動距離から計算すると、単純な平均時速は約8km。細かく止まっていたとはいえ軽いジョギングくらいのペースなので、決して素早い移動手段ではなさそう。でも今回は満足。初めての皇居一周をゆっくり楽しめたので。

 


所感

 

毎日の通勤や通学の手段に使えるか?というと距離と交通状況次第だけど、移動そのものが目的となるケース(観光、街歩き、体験など)ではかなり面白い乗り物だと思う。あとは安全面ね。ヘルメット着用を特例で免除されている以上、事故が変にフィーチャーされると普及やルールに影響しそうなので、みんな安全に乗ってほしい。あと、左折しかしたくないという下心で皇居外周を走ったけど、よく見るとこのエリアっていたるところに警官が配置されているので自動車側もかなり安全運転だった気がする。自動車が少ない道やスピードを出しにくいエリアを選んで楽しむのが良いんじゃないかな。

 


イカ―じゃなくて公共交通機関を使おうぜ、という動きの中で、じゃあ最寄り駅から自宅、あるいは駅から目的地のラストワンマイルの移動手段をどうするか?ってのをいろんな大企業やベンチャーがMaaS(Mobility as a Service)という概念の中で考えている。その有象無象のMaaSの中でLUUPは実証実験を東京のど真ん中で、しかも色々な法律的な特例を勝ち取って進めているのでかなりかっこいいと思う。自動車目線で見たらものすごく邪魔だけど(正直、自分がドライバーならかなりイライラするはず…)、それでも暮らしの中に新しい選択肢・新しい価値観を提供しているので応援したい。未来にワクワクしていこう。

 

 

読み返してみると乱文・長文でLUUPのようにスマートには進まないけど、体験レポは以上なので気になった人は是非乗ってほしい。