SHOMONA

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都内で博多豚骨ラーメンを食べる

2017年は人生の転機だった。

2016年までの4年間を福岡で過ごした。福岡は素晴らしい街だった。博多華丸大吉の持つ「なんとなく憎めないあの感じ」を福岡という街もまた持っていた。

 

福岡についての回顧は今後改めて書くことにして、今日のブログは趣向を変え、東京でも食べられる豚骨ラーメンの店を紹介する。

これは「東京で食べられる豚骨ラーメン」という表現にピンとくる読者のためのエントリーだ。

 

 

前提として、少しだけ福岡のラーメン事情に触れたい。福岡県民は飛ばしても構わない。

 

福岡において、体感的にではあるがラーメン屋を名乗る店のうち95%は豚骨ラーメンの店だ。そして驚くべきことに店のメニュー表には「ラーメン」と書かれている。ラーメン=豚骨ラーメンなのである。客にはラーメンの種類を選ぶ権利などなく、豚骨ラーメンこそがラーメンであり、ラーメンを頼むと無条件で豚骨ラーメンを渡されるのだ。

 

次に驚いたこと。街が臭い。

カウンター形式の店がほとんどで、目の前に厨房があるため、店に入った途端、豚骨の匂いがたちまち鼻を襲う。店によっては数十M離れた先からでも平気で匂ってくる。「この路地の次の交差点を曲がるとラーメン屋がありそうだな」が匂いでわかる。

 

そして、これが1番重要なのだけど、美味い。

もうめちゃくちゃ美味い。たかが豚の骨を煮て作った液体に小麦粉で出来た紐を入れただけなのにめちゃくちゃ美味い。本場福岡の味に慣れてしまうと、本州にいたころ普段食べてた豚骨ラーメンが「イオンのフードコートで食べるラーメン」のレベルに感じてしまう。

 

つまり臭くて美味い「ラーメン」こそが福岡の豚骨ラーメンなのだ。これが前置き。

 

さて、そんなラーメン屋は東京にもあるのか?実はある。探せばたくさんあるはず。その中でも私が今回紹介するのは3店。

 

 

 

(「行きつけ」につき写真無し)

 

上京してきて最初に発見しハマったのがここ。ちゃんと臭いし、トッピングも完備している。「食べる前がピーク、食べ終わる頃には油っこくて少しもたれてる」でおなじみのあの独特のこってり感が完全に再現されており評価できる。昼にこの近辺へ寄ったときは確実にランチのファーストチョイス。

 

 

 

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この店は確実に博多駅東の名店「一双」を意識している。インスパイアなのか暖簾分けなのか分からないが、ラーメンの味だけでなくトッピングやテーブルの配置なんかも一緒。ちなみに一双は福岡へ旅行に来た友人をよく連れて行った店で、皆に高評価を頂いている。これから福岡へ行く人がいたら是非立ち寄ってほしい。特に予定がない人は、そんな一双をリアルに再現したこの一瑞亭に足を運ぼう。

 

 

 

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このしばらくという店、福岡にも同じ名前の店があり、なんとその近所に住んでいた。もはや食レポとはなんにも関係のない余談だが、福岡市早良区西新のしばらくは、おそらく店長がホークスファンだったはずで、たまたま入店した福岡1年目の夏、店のテレビではホークスvs楽天イーグルスの試合を放送していた。

店長の思いとは裏腹に、その試合ではイーグルスがリードし、さらにチャンスを作っていた。それもそのはず、楽天にとってはマー君が24勝1Sで優勝したあの伝説的なシーズンだった。

想像してほしい、訳も分からないままに福岡赴任を命じられ、いつ帰れるかも分からず途方に暮れて早数ヶ月、そんな中でふらっと立ち寄ったラーメン屋、そっと耳を澄ましてみれば、あの20インチの小さな画面の向こうから、遠い故郷のメロディが聞こえてくる…ヤンヤンヤヤー八木山の……ベニーランドにでっかい夢が………イーグルスのチャンステーマであり、元は仙台では皆が知る遊園地のCMソングだ。地の果てのように遠い福岡で、唯一「故郷」を思い出させてくれるあのメロディ。この瞬間、僕はイーグルスのファンになり、優勝を見届けることとなった。

そんな「しばらく」の名を冠したラーメンが東京でも食べられるのだから、人生は本当に面白い。

味はもちろん美味でスープも優しく、トッピングのすりごまが最高に風味豊かだったからいっぺん騙されたと思って行ってほしい。

 

 

若干レポートが緩くないか?と思った読者はあとでじっくり食べログを読んでほしい。そして気が向いたら食べに赴き、あなたの言葉で発信してほしい。たった4年住んでた僕でさえこんなに恋しい豚骨ラーメンだ、あなたの周りに福岡出身者がいたら、きっとラーメン情報にかなり飢えているはず。

 

最後に、どの店でも麺は「カタ」で頼んだが、東京の「カタ」は福岡の「ふつう」と同等レベルだったので、これも参考にしてほしい。

 

 

このブログを皆が深夜に読むことを祈る。