SHOMONA

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上司の海外転勤が決まった

上司が海外へ行くことになった。

 

元々そういう噂はあったし、向こうでバリバリ働いている姿も想像がつく。客観的に見れば順当な異動だと言われている。

4月に福岡から東京へ出てきて、彼の下で働くようになった。酒を飲んでさえいなければ恐ろしく頭の切れる人で、酒さえ飲んでさえいなければ判断を誤る所を一度も見たことがない。もちろん、酒を飲むという判断は除いての話。

彼からあらゆる事を教わった。行動の規範から仕事の進め方まで、彼の手法は見事だった。1人で敵陣に乗り込み、大きな剣で雑兵を薙ぎ払う、無双シリーズのような手捌きを見せてくれた。一緒に仕事をしたのはたった半年間だけど、間違いなく尊敬できる上司だ。

 

今朝ツイートした「1人からの指摘は無視していい。2人以上からおんなじこと言われ始めたら考えろ」も彼の意見だった。曰くこうだ。

「一対一は双方が主観的な付き合いなのだから、好き嫌いの観点で物を言うし、受け取る方も好き嫌いのバイアスがかかる。だから何を言われてもふーん、そっか、へえと思っていればいい。ただ、おんなじ指摘を2人以上から食らったら、そのときは素直に受け止めて考え直した方がいいかもしれない。実際そんな気がする。おれは皆に酒をやめろと言われているから、たぶんやめた方がいいんだと思う。」そう言って彼は残っていたウーロンハイを飲み干し、店員を呼び止めてもう一杯注文した。

 

彼の発言を思い返してみると、やはり大人というのは、よそから借りてきた格言なんかを吹聴するより、自分の身に起こり自分の頭で考え自分の行動で解決してきた事案の蓄積が、なによりも説得力を生むのだということがよく分かる。いつも「今は分からなくていい、そのうち分かる」と前置きしながら、色々な話を聞かせてくれた。

 

「歳下とつるむな、歳上に混じれ」

長いものに巻かれろという意味ではなく、常に自分よりレベルの高い人と仕事をしていくことで、より大きく成長できるということ。

 

「楽しい仕事をしろ」

儲かる仕事とは別に、自分が楽しいと思える仕事をやれ、それで達成感を得て、それを肴に酒を飲め。

 

「お前 ぴちょんくんに似てるな」

ぴちょんくん????????

あのエアコンとかのCMに出てくる????

待って???これ????似てる????

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気心知れたメンバーで飲むとき、ほどよく酔いが回り始めると、彼は必ずこっちを見て「しかし似てるなあ」と笑い、皆に説明する。皆の納得度は正直微妙だ。自分でも微妙だ。酔った彼にしか見えない何かがあるのだろう。

 

さて、忘年会の被り物が決まった。遠くへ行ってしまう彼に届けたい思いがある。

ただひとつ問題があって、彼が酔う前に被ると完全に滑るのに、酔ってから被ると翌日完全に忘れてしまうのである。酒は難しい。彼は本当に、色々な事を教えてくれる。