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エルレガーデンのライブが最高だった話

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一言でまとめるとタイトルの通り。それ以上言葉はいらないんだけど、語りたがりだからもう少し、蛇足を承知で書く。うるせえここはチラシの裏だ、好きに書くぞ。

 

ELLEGARDENとの出会いは、仙台の小さなライブハウスだった。といっても、本人たちを見たわけではなくて、よくあるコピーバンド

高校の先輩が演奏するスターフィッシュがあまりにも格好良くて、どうしてあんなに格好良かったのか分からないけど、とにかく当時のバンドのメンバーに着うたを取って送ってもらって(当時はパケットが使い放題ではなく自力で入手出来なかった、懐かしい…)、それから高校を卒業するまでずっとこの曲を着信音と朝のアラームにしていた。「こんな星の夜は」という歌詞で目覚めてた。朝と夜のミスマッチがすごい。

ただ当時は日本語歌詞絶対主義みたいなものが自分の中にあって、英語で歌われても意味ワカランからちゃんと日本語の歌詞で歌えというまるで戦時中みたいな思想統制が敷かれていた。それゆえ全曲全アルバム隅々まで聴くというようなことはしていなかった。若さゆえの了見の狭さだった。もったいないがそれもまた青春…

 

それでも対バンする学生バンドの連中は相変わらずELLEGARDENが大好きだったし、おかげで好きな曲もいくつか出来た。とは言えそんな中でも高校時代の思い出の楽曲といえば間違いなくスターフィッシュだった。

 

そういうわけで、今回の10年ぶりの復活ライブに臨む自分のモチベーションは、兎にも角にもスターフィッシュが聴きたいというものが第一だった。他にも好きな曲はあるし「センセーショナルな復活を遂げた伝説バンドを見てみたい」というミーハーな理由もゼロではないが、とにかくこのアンセムを歌ってくれたらと願ってた。

 

ところが、だ。

思ってたのと違うことが起きた。

大好きな曲、知ってる曲、知らない曲、全部が最高だった。アテが外れた。このバンド、こんなに良かったんだ。スターフィッシュも風の日もサンタクロースも、いやそれだけじゃない。どの曲も目の前で歌われるとこんなに最高だったんだ、となった。日本語とか英語とか関係ない。何もかもが幸せになった。

 

 

最後に笑うのは正直な奴だけだ
出し抜いて 立ち回って
手に入れたものはみんな
すぐに消えた

 

特に「金星」を歌い終えた時のMCが印象的だった。ELLEGARDENが歌い続けてきたシンプルで力強いメッセージを、解散から今日までの10年間の人生経験をもって「答え合わせ」しているような気がした。誰より細美武士自身そう感じていると話していた。僕らだってそうだ。あの頃の僕らが意味なんてよく噛み締めずに車の中で、カラオケボックスで、または小さなライブハウスのステージで歌ってきた言葉たちは、結果的に正しかった。極端に言えば、その歌詞に盲信した自分の人生そのものを肯定されいるような気さえした。こんなに素敵な詩人が他にいるだろうか?幸せな瞬間だった。

 

僕らが幸せだったことに加え、メンバーの一人ひとりも、幸せを噛み締めていることを露わにしてくれたことが、なおさら今日という日を特別なものにしてくれた。再結成して本当に良かった、再結成してくれて本当に良かった、という気持ちで一致した。次があるようなことも匂わせたし、ないかもしれない。しかし今日は今日で最高だったんだから、自然と「次もあるんでしょう?」って錯覚してしまうところがあった。本当のところはどうか分からない。分からないがこの幸せを、一人でも多くのオールドファンに味わってもらいたいし、一緒に満喫したいし、僕らと一緒にこの10年間を肯定しよう、という気持ちが溢れてしまう。

 

とにかく、幸せなライブだった。こういった人生のログインボーナスのようなイベントが、また次の10年後に起きたらいいな、なんて思うライブだった。生きることを頑張っているあなたの今後にも、ちゃんと起きますように。そうなりますように。