初心者のためのワールドカップ入門
4年に一度のサッカーの祭典、いよいよ今月開幕するFIFAワールドカップ2018ロシア大会。誰かさんのせいで俺たちの日本代表があんな感じになってしまったが、幸いワールドカップは全部で64試合もある。しかも全部テレビで放送する。たまたま日本代表が弱いからって、大会全体への興味を失ってしまうのは非常にもったいない。折角だから日本以外の約60試合もぜひ楽しんでほしいし、できればフォロワーのみんなと一緒にタイムラインでワイワイ実況したい。
「そうは言うけど、時差があるから試合は深夜にやるんでしょ?興味はあるけど夜更かしするのはちょっと…」と考えた人、圧倒的に正しい。常識が備わってる。常識人はわざわざよその国の試合のためにライフスタイルを変えない。夕食後すぐに寝て27時キックオフの試合に合わせて起きるなんてことはしないし、翌日「営業いってきまーす」つって社用車を郊外の電気屋の駐車場(=無料の日陰)に停めて寝不足を補ったりはしない。…えっ寝ないの?寝るよね?みんなしてると思ってた。
今回は、そんな常識のある皆様のために、睡眠時間を取り崩さずに見られる「日本のゴールデンタイムにキックオフする試合」から、独断でオススメの試合をピックアップして紹介させてもらう。
(開幕戦)
6/14(木) 24時 kick off
ロシア🇷🇺 vs 🇸🇦サウジアラビア
オススメカード①
6/15(金) 21時 kick off
エジプト🇪🇬 vs 🇺🇾ウルグアイ
《みどころ》
開幕戦の翌日に行われる好試合。
エジプトにはサラーという素晴らしいフォワードがいて、今年イングランドで得点王に輝いた。給料を母国に仕送りするのはアフリカ人あるあるだが彼は規模が大きくて、なんと地元の村に役所や発電所まで建てており紛れも無い太陽神ファラオである。しかし先日の試合でセルヒオ・ラモスの悪質なタックルを食らって怪我をしてしまい、出場が危ぶまれている。日大の内田前監督は関与を否定し続けており、どこまでしらを切り通すのかが見ものだ。渦中のセルヒオ・ラモスは、この一件から脅迫電話が絶えず、電話番号を変えるはめになった。
一方ウルグアイにはルイス・スアレスという、サラーを上回る実績を持つフォワードがいて、何が凄いってとにかく人を噛む。決して比喩ではなく、物理的に噛み付く。大舞台になればなるほど噛む。肩を噛み付かれた相手選手がユニフォームの首元を広げ、歯型の跡を見せながら審判に抗議するまでがセットで、こちらも目が離せない。
《まとめ》
両エースを中心に、堅い守備と速攻に期待。
スアレスの歯型の跡を示すグラビアアイドル
オススメカード②
5/16(土) 22時 kick off
アルゼンチン🇦🇷 vs 🇮🇸アイスランド
《みどころ》
アルゼンチンと言えば、とにかくメッシだ。メッシさえ見ておけば大丈夫。マラドーナもそう言ってる。背が小さくて、赤茶色の髭をたっぷり生やした選手を探せばすぐ見つかる。今季もバルセロナで得点王を獲り、あと意味わからないほど沢山フリーキックを決めてた。たぶんこの大会でもそこそこ点を取るはず。アルゼンチンはストライカーが飽和状態で、セリエA得点王すらメンバー落ちしているくらいなので、マジで一人くらい日本に貸してくれないか。
アイスランドは2016年のヨーロッパ選手権で一躍有名になったけど、それまで国際大会で見かけたことがなく、当時の選手たちも学校の先生とか消防士をやってて、つまりプロの選手が少なく、そもそもアイスランドなんてほとんど氷に覆われているんじゃないんですか…?サッカーが出来るのか…?ヴィンランド・サガという中世ヴァイキングの漫画でしか見たことがないアイスランドのイメージだけど、ヴァイキングさながらの大男の屈強な守備と、サポーターのハンドクラップに注目。これはネタでなく本当に、サポーター全員でスマブラのドンキーコングの上スマッシュを延々とやってるから見てほしい。
《まとめ》
攻めるアルゼンチンと守るアイスランドの構図。
こういうやつ
オススメカード③
6月20日(水) 21時 kick off
《みどころ》
アルゼンチンがメッシなら、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウド。ここ10年間はこの2人がバロンドール(年間世界最優秀選手)を独占している。あえて他のスポーツで考えてみると、例えば巨人のV9とか体操の内村航平とかレスリングの吉田沙保里とか、長年にわたって王者を独占ってのは稀に起こることだけど、2人で競い合って寡占し続けるのはあんまり見かけない気がする。そのくらい激レア状態ですごい。すごい上に子沢山。素晴らしいDNAを後世に残す努力も怠らない。人間の鑑。5000万円の高級車を納車1週間で大破させたりしてても大目に見てあげよう。
あいにくモロッコのことは全然分からない。ベナティアって選手がユベントスにいるくらいしか知らない。このグループにはなんとスペインもいて、ジブラルタル海峡を巡って三国間の熾烈な争いが楽しみだ。
《まとめ》
わざわざロシアまで行かずにこの辺でやろうよ
オススメカード④
6月22日(金) 21時 kick off
ブラジル🇧🇷 vs 🇨🇷コスタリカ
《みどころ》
ブラジルは前回大会、自国開催にも関わらずドイツ相手に1-7という信じられないスコアでホロコーストされてしまい、国民は絶望し、リオのカーニバルどころではなくなってしまったという忘れられない思い出がある。とにかくこの悪夢を払拭したいところだが、エースのネイマールは所属するパリに飽きてしまい、骨折のリハビリの傍らで専らポーカーばっかりやってるらしく、来季はいったいどこでプレーするのかと不安視されている。もう一人のストライカー、ジェズスもシーズン終盤怪我をしていたので万全ではないはず、相手からバチボコに潰される前に試合を決めてしまいたいところだ。中盤もテクニシャンが揃っており、のびのびとプレーさせたらひとたまりもない。
コスタリカは中南米のチームらしく、集中し続けてチーム一丸で守ることができる。ゴールキーパーのナバス(反射神経がネコ科よりヤバい)を中心に、引き分け以上の成績を残せたら万々歳で、決勝トーナメント進出の可能性も高まる。
《まとめ》
ネイマールの気分と体調次第。
7点取ったドイツに命乞いする4年前のブラジル
《総括》
ここで挙げた4試合はいずれも、強いチームと弱いチームが比較的はっきりしているので、強豪の華麗な攻撃が見られるかもしれないし、沢山ゴールが決まる可能性も高い。サッカー初心者にとっても比較的見やすい試合になると思う。もちろん、強いチームが順当に勝つとは限らないのがサッカーの面白いところで、もし下克上=ジャイアントキリングが起きるようであれば、それこそ見守る価値のある歴史的なゲームになるだろう。
語りたいことの20%くらいは書けたので、今日はこの辺にしておく。気が向いたら第二弾もやるかも。ぜひ読んでほしい。頑張れ日本。